派遣の働き方は、正社員やアルバイトとは違って、独特のルールがあります。
それが「派遣契約書」。お仕事内容は、その契約書で決まっているため、それ以外の仕事をしてもらう場合には、契約書を作り直す必要もあり、契約にない仕事を勝手にさせるのは、派遣会社とのルール違反になってしまいます。
普通の会社なら、派遣会社との契約書にない仕事を任せる事はしませんが、中にはそんなルールを守らない会社も。
一体、どこからなら断ってOKなのかを解説。
「これって大丈夫なの?」と不安に思った時は要チェックです。
そもそも派遣の契約書には、何と書いてある?
普段、あまり意識する事がない派遣契約書。仕事内容を事細かく書いているかというと、実はそうでもありません。
派遣の契約内容は、派遣開始前に渡されている「就業条件明示書」という書類に書いてあります。
よくある書き方としては、「仕事内容 :○○製品に関する営業事務 および関連業務」といった、とても短い1行で済まされている事が多いかと覆います。
この「仕事内容 :○○製品に関する営業事務 および関連業務」の中に、書類作成や電話、メール、会議など、普段から仕事として行う事は全部含まれている…という意味になります。
じゃあ、一体どこからが「営業事務 および関連業務」に入らないから断っていいのでしょうか。
例えば…こんな事で迷ってしまいがち。
・掃除、歓送迎会、社内の行事、客先への出張、宿泊、全く違う部署の仕事の手伝い、違う会社へ行って現場での仕事…。
ちょっと「関連業務」に入るのかどうか、よくわからない物もありますよね。
それぞれを具体的に見ていきましょう。
これって派遣の仕事に入る? 自分で選べるもの
まずは契約には厳密に言えば「入っているとも、入っていないとも言いにくい」という微妙なラインから。
これは「掃除」「社内の行事(就業時間内)」などが当たります。
これらは、仕事に関連すると言えばしているような気もしますよね。
毎週、掃除の時間がある会社などでは「私は派遣なので掃除はしません」とは言いにくいですし、同じように、年末の仕事おさめや年始の決起集会などは、仕事そのものとは言えなくとも、参加しないのは社内の空気が悪くなりがち。
義務ではないにしても、なるべくなら自分で選んで参加しておきたい内容です。
これは派遣の仕事外? まずは営業さんに確認したいポイント
次に、すぐ参加せずに、一度派遣の営業さんに確認したい物の説明です。
これは「客先への出張、宿泊、全く違う部署の仕事の手伝い」などが当てはまります。
なぜかと言いますと、派遣スタッフが出張へ行くには、出張旅費や移動時間の扱い(時給が発生するかどうか)、出張手当はいくらなのか、といった契約をしていないといけません。
契約がないまま行ってしまうと、もし何かトラブルがあった際、大いにもめてしまう事も…。
また、全く関係ない部署での仕事も要注意。
そもそも契約書の仕事内容から大きく外れているので、現場的にはそれで良くても、派遣契約的にはちょっとNGという場合もあります。
自分で判断せず、まずは営業さんに「これは行って良いのか」と確認するのが大切です。
これはNG、「派遣の契約外なので…」と断りたい仕事
次は「契約外なので」とお断りしたい仕事です。
これは「全くの別会社に出向いての仕事」です。
単に営業のアシスタントとしてお客さんの所へ行って、打ち合わせするようなものは当然セーフですが、例えば本社で契約したのに翌日から子会社に席を移されたような場合です。
派遣の契約書上では、勤務地は本社内なのに、実際の仕事場所は全然違うビルの子会社のデスクだった…というような例です。
この場合、そもそも「勤務地」の契約内容が誤っていますし、仕事内容も契約書と大きく違っている事も。
自分でお断りすると角が立ってしまいますので、これも「営業さんに聞かないとちょっと…」といったん保留にしましょう。
もちろん契約書にはありません。「飲み会、接待」
最後に、みんなが嫌いな(?)上司との飲み会や接待ですが、これはもちろん契約書にはありません。
嫌だと思ったらお断りでOKです。(もちろん、上司のおごりで飲めるのが好きという方は、参加しても問題ナシです! たくさん飲みましょう!)
また、あまり多くはないかも知れませんが、休日に開かれる派遣先の行事(福利厚生の社内バーベキューや、スポーツ大会など? 今そんな事をしている会社は多くないとは思いますが…)も、参加/不参加は自分で決めて問題ありません。
ただし、最近はこういった福利厚生をしている会社も少ないですので、誘われる経験の方がレアかとは思います。
まとめ
掃除、行事、イベント、出張、飲み会…、どこまでが派遣の契約内なのか、迷ってしまいがちなのが「派遣あるある」かも知れません。
明確な線引きが出来る訳ではありませんが、この記事も参考にしながら、ぜひトラブルを回避してくださいね。